家全体を片付ける順番 ― 通り道から開けて、収納の奥を最後にする
順路は、通り道 → 共有スペース → 個人の部屋 → 収納の奥、の順です。
先に通り道を空けるのは、あとで大きい物を運び出す経路になるからです。収納の奥を最後にするのは、そこから出てくる物の行き先が、それまでの作業で決まっているからです。逆にすると、押入れから出した物を置く場所が家のどこにもない、という状態になります。
順路の全体像
家一軒を通してやる場合、部屋の性格で順番を決めます。判断する人が自分だけで完結する場所を先に、話し合いが要る場所を後に回すのが原則です。
| 順番 | 場所 | その順番にする理由 |
|---|---|---|
| 1 | 玄関・廊下・階段・洗面・トイレ | 通り道。ここが空くと、大きい物の搬出経路と作業スペースができる。判断の軽い物が多く、家族の物も少ない |
| 2 | リビング・ダイニング | 共有スペース。誰の物かで揉めやすいので、置いてよい物と量で線を引く。片付いた状態が家族に見えるので、協力を得やすくなる |
| 3 | 台所 | 判断の基準がはっきりしている(期限、使う頻度、同じ道具の重複)。ただし物の数が多いので時間はかかる |
| 4 | 寝室・個人の部屋・クローゼット | 個人の物。本人が判断する。ここから先は自分以外の物に手を出さない |
| 5 | 押入れ・納戸・物置・床下・屋根裏 | 判断の重い物と、行き先の決めにくい物が集まっている。最後に回す |
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通り道を最初に空ける
玄関、廊下、階段、洗面まわりを先に空けます。ここは物が置かれていても生活が回ってしまうため、後回しにされがちな場所です。ただ、片付けの作業そのものにとっては最初に空けておく価値があります。
理由は搬出経路です。家具や家電を外に出すとき、通れる幅がないと途中で止まります。特に階段の踊り場、玄関の上がり框、廊下の曲がり角は、物が置いてあると大きい物が回りません。作業の終盤にこれに気づくと、運び出しのためにもう一度片付けることになります。
もう一つは作業スペースです。物を分けるには、床が空いている必要があります。廊下が使えるだけで、分ける速度が変わります。
共有スペースは「誰の物か」で揉めない
リビングやダイニングは、家族それぞれの物が集まります。ここで「これは誰の物か」から入ると、話が止まります。持ち主を特定しても、その人が捨てるとは限らないからです。
先に決めるのは、その場所に置いてよい物の種類と量です。「テーブルの上は食事のときに何も載っていない状態にする」「棚の一段はそれぞれの物を置いてよいが、はみ出したら自分の部屋へ」。この形なら、持ち主が誰であっても線が引けます。
個人の物は、その日のうちに本人の部屋へ移すだけにします。持ち主に判断してもらうのは、共有スペースが片付いた後です。
家族と片付けるときの進め方同居している家族と意見が合わないときの話の持ちかけ方を、別の記事にまとめています。
収納の奥を最後にする理由
押入れ、納戸、物置、屋根裏。ここを最後に回すのは、単に量が多いからではありません。出てくる物の行き先が、それまでの作業で決まっているからです。
たとえば押入れから来客用の布団が出てきたとき、家の中に来客用の物をどこまで残すかが決まっていれば、その場で判断できます。決まっていなければ、そこで止まります。台所やクローゼットを先にやっておくと、「同じ役割の物がすでにある」「この量までなら持つ」という基準が自分の中にできているので、奥の収納は驚くほど早く終わります。
もう一つ、奥の収納には判断の重い物が集まります。写真、手紙、子どもの作品、故人の物。これらは、他の場所で判断の練習を積んだ後の方が決められます。
間取りで変わるところ
順路の考え方は同じですが、家の形によって前後します。
| 家の形 | 順路の変わるところ |
|---|---|
| ワンルーム・1K | 通り道と居室が同じなので、床の上 → クローゼット → 台所まわり、の順にする。床が空くだけで作業スペースができる |
| マンション(2LDK以上) | 基本の順路どおり。ただし搬出は共用廊下とエレベーターを通るので、大きい物を出す日を先に管理組合へ確認しておく |
| 一戸建て | 階段が搬出の要になる。上階の大きい物ほど早く決める。物置・車庫・庭の物は屋内と別に数える(見落としやすい) |
| 二世帯・同居 | 自分の判断で動かせる範囲と、そうでない範囲を先に線引きする。共有部分から入り、相手の生活空間には最後まで入らない |
順番を守れないときの立て直し
実際には、順路どおりに進まないことがあります。急に来客が決まった、部屋を一つ空ける必要が出た、というときは、そちらを先にやって構いません。
ただし、飛ばした場所には印を残します。紙に「玄関はまだ」と書いて貼るだけで十分です。片付けは、どこが終わってどこが残っているかが分からなくなった時点で止まります。
順番を大きく崩したあと戻るときは、最初から通し直す必要はありません。空けた場所の隣から再開すると、作業スペースがつながって進みやすくなります。
大きい物を運び出す日は、その日までに通り道が空いている必要があります。運び出しの手配を先にして、通り道を後にすると、当日に物が通らず引き取ってもらえないことがあります。
よくある質問
リビングから始めてはいけませんか
いけないということはありません。リビングは家族の目に入る場所なので、片付いた効果が一番はっきり出ます。ただリビングは家族それぞれの物が混ざっているため、自分の判断だけでは終わりません。始めるなら、その日は「個人の物を持ち主の部屋へ移す」ところまでにして、捨てる判断は持ち主に任せてください。それだけでもリビングは見違えます。
部屋ごとではなく、服・本・書類のように種類ごとに進める方法はどうですか
同じ物が家中に分散している場合は、種類ごとの方が向いています。服が三か所にある、書類がどの部屋にもある、という状態では、全部を一度に集めないと自分がどれだけ持っているか分かりません。ただし種類ごとに進めるときは、集めた日のうちに終わらせる必要があります。家中から集めた服を床に広げたまま日をまたぐと、生活が回らなくなります。
押入れを先に開けてしまいました
出した物を、いったん一か所にまとめてください。全部を今日判断しようとせず、明らかなゴミだけ出して、残りは箱に入れて元に戻します。そのうえで、通り道と共有スペースを片付けてから戻ってきてください。押入れの中身は、他の場所の基準ができてからの方が早く決まります。中途半端に開いた押入れを見て気持ちが折れるより、いったん閉じる方が結果は早くなります。
何日くらいかかりますか
収納の数で見積もると近い数字が出ます。引き出し・棚一段・押入れ一段・箱を、それぞれ一区画として数えてください。判断の軽い区画は15〜30分、重い区画は1時間以上を見ます。区画数と時間を掛けると必要な時間が出るので、それを使える時間で割ると日数になります。物の量ではなく区画数で数えるのは、量は目で測れないからです。
途中で来客の予定が入りました
来客までは、順路をいったん止めて構いません。ただし、分けた物を押入れに押し込む形にすると、その押入れをもう一度開けることになります。来客前は「保留箱にまとめてふたをして、部屋の隅にそろえて置く」までにしてください。中身が混ざらなければ、来客のあとに続きから再開できます。
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家の片付けの進め方|どこから始めて、どの順番で終わらせるか家全体を片付けるときの順番と、途中で止まったときの立て直し方をまとめてあります。