メニュー

遺品整理の進め方/手続きと片付けの順番

葬儀が終わった直後は、何から手を付ければよいのかが分からなくなります。このページは、遺品整理を「物を片付ける作業」ではなく「期限のある手続きと、片付けの順番を決める段取り」として組み立て直したものです。日数が決まっている届出、家の物に触れる前に確かめること、四十九日を待つかどうかの分かれ目、捨ててしまうと後の手続きが止まる物を、進む順に並べました。この順番を崩さなければ、片付けの作業そのものを急ぐ必要はありません。

遺品整理の段取り

上から順に進めます。なぜその順番なのかを書いてあるので、事情に合わないところは飛ばして組み替えてください。

  1. 葬儀の直後(〜7日)

    死亡届と火葬許可が済んでいるかを葬儀社に確認し、死亡診断書のコピーを複数枚手元に用意する

    なぜこの後の手続きの多くで、死亡の事実を証明する書類を求められます。原本は窓口で回収されて戻らないことがあるため、先にコピーを取っておくと同じ窓口を往復せずに済みます

  2. 〜10日・14日

    年金の受給停止(厚生年金は10日、国民年金は14日が目安)、健康保険・介護保険の資格喪失と証の返却、世帯主変更届を、市区町村と年金事務所で済ませる

    なぜ起算日が死亡日で固定されており、家の片付けの進み具合とは無関係に日数が過ぎます。受給停止が遅れると、後から返還の手続きが加わる場合があります

  3. 最初の2週間

    家の中を探すことに徹する。通帳・印鑑・権利証・保険証券・契約書・郵便物を一か所に集め、部屋の様子を写真で記録する

    なぜどの手続きに何の書類が要るかは、家の中から紙が出そろうまで分かりません。先に袋詰めをすると、必要な書類がそのまま袋に紛れます

  4. 〜1か月

    戸籍を遡って相続人を確定させ、財産と負債の概況を把握する。督促状や借用書が出たら作業を止める

    なぜ3か月の判断材料をそろえる工程です。負債の有無が分からないまま物を処分すると、相続放棄という選択肢が使えなくなることがあります

  5. 3か月以内

    相続放棄・限定承認をするかを決める。決まるまで売却・廃棄・形見分けをしない。間に合わないときは家庭裁判所への期間伸長の申立てを検討する

    なぜ相続財産を処分すると承認したとみなされる場合があります(民法921条)。線引きは事案ごとに異なるため、判断は弁護士・司法書士へご相談ください

  6. 四十九日の前後

    親族が集まる日に、残す物・形見分け・片付けの方針を決め、記録に残す

    なぜ相続人が複数いる場合、全員が顔を合わせる次の機会は数か月先になりがちです。物が家にあるうちに合意を作っておくと、後から経緯を説明せずに済みます

  7. 方針が固まった後

    売る物の査定を先に済ませ、続けて搬出する。賃貸なら明け渡し日から逆算して作業日を押さえる

    なぜ査定と搬出を別々に頼むと同じ物を二度運ぶことになります。繁忙期は作業日程が埋まるため、逆算して確保しておく必要があります

  8. 4か月/10か月

    準確定申告と、相続税の申告が必要かどうかの確認を進める。葬儀費用や売却の領収書は捨てずに保管する

    なぜ片付けと並行して進む期限です。後から資料が必要になったとき、家を空にした後では取り戻せません

  9. 片付けが終わった後

    公共料金・通信・サブスクなどの契約を止め、不動産があれば相続登記を進める(取得を知った日から3年以内)

    なぜ契約が残っていると、住む人がいなくても費用が出続けます。登記は義務化されており、先送りすると次の世代でさらに手間が増えます

急ぐべきなのは片付けではなく、期限のある手続きのほう

遺品整理でやり直しがきかなくなるのは、片付けが遅れたときではなく、期限のある手続きを知らないまま家の物を動かしてしまったときです。片付けの作業そのものには法律上の期限がありません。期限があるのは届出と相続の側で、そちらは日数で区切られています。順番は「手続きの期限を確認する」「家の中を探して書類と貴重品を集める」「残す物と手放す物を決める」「搬出する」です。この並びを入れ替えると、後の工程で必要になる紙が消えます。

葬儀後の最初の2週間は、捨てる作業ではなく探す作業に充てるのが現実的です。どの手続きにどの書類が要るかは、家の中から通帳や証券や契約書が出そろうまで分かりません。先に袋詰めを始めてしまうと、封筒に入った権利証や、本に挟まれた保険証券が、そのまま袋の中に紛れます。探す期間は片付けの遅れではなく、後の手続きを短くするための時間だと考えてください。

ただし、時間そのものが費用になる状況はあります。賃貸住宅や高齢者施設の居室は、契約が続いているあいだ家賃や管理費が日ごとに発生します。この場合だけは、探す作業と搬出の日程を押さえる作業を並行して進めます。持ち家であれば、判断が固まるまで家をそのままにしておいても金銭的な損は出にくく、急いで決める理由が減ります。

日数が決まっている手続き(7日・14日・3か月・4か月・10か月)

先に、日数で区切られている手続きを確認します。下に挙げたのは全国で共通する法律上の区切りですが、必要書類や窓口の運用は市区町村・保険者によって異なります。どれも死亡日か「知った日」を起点に進み、家の片付けが終わっているかどうかとは関係なく日数が過ぎていきます。片付けの予定を立てる前に、この一覧のどこに自分がいるのかを確かめてください。

数の多さに負担を感じるかもしれませんが、7日と14日の区切りは葬儀社や市区町村の窓口で案内されることが多く、実際には「言われたとおりに窓口を回る」で済む部分です。重いのは3か月・4か月・10か月の三つで、こちらは自分から動かないと進みません。とくに3か月は、家の物に触れてよいかどうかを左右するため、次の節で改めて扱います。

期限を過ぎた場合の扱いは手続きごとに違い、後から出せる物、事情を説明して認められる場合がある物、遅れると加算が生じる物が混在します。個別の可否をここで断定することはできません。判断が必要になったら、相続や税の部分は弁護士・司法書士・税理士へ、届出の部分は市区町村や年金事務所の窓口へご確認ください。

  • 死亡届は、死亡の事実を知った日から7日以内(戸籍法86条。国外で亡くなった場合は3か月以内)。葬儀社が代行していることが多いため、済んでいるかを確認します
  • 年金の受給停止は、厚生年金で死亡から10日以内、国民年金で14日以内が目安です。未支給年金の請求が別にある場合があります
  • 国民健康保険・後期高齢者医療の資格喪失の届出と、介護保険被保険者証の返却は14日以内とされることが多い(市区町村により異なります)
  • 世帯主変更届は14日以内。残る世帯員が2人以上いる場合に必要になることが多い
  • 相続放棄・限定承認の申述は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内(民法915条)
  • 準確定申告は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内。故人に事業所得や不動産所得があったなど、確定申告が必要だった場合
  • 相続税の申告と納付は、死亡したことを知った日の翌日から10か月以内。申告が要るかどうかは遺産の総額と基礎控除額の関係で決まります
  • 不動産を相続で取得した場合の登記申請は、取得を知った日から3年以内(2024年4月1日施行)。施行日より前に相続した不動産も対象で、期限の数え方が異なるため法務局か司法書士にご確認ください
  • 葬祭費・埋葬料の請求は2年で時効になるとされています。名称も手続きも加入していた保険者によって違います
  • 生命保険金の請求権の時効は3年(保険法95条)。約款や保険会社の取扱いにより実務が異なる場合があります

相続放棄を少しでも考えているなら、家の物に手を付けない

ここがこのページで最も重要な部分です。相続人が相続財産の全部または一部を処分すると、相続を承認したものとみなされる場合があります(民法921条・法定単純承認)。ここでいう処分は売却だけを指すのではなく、廃棄すること、形見として持ち帰ること、価値のある物を親族に分けることも当たる可能性があります。つまり、片付けを進めた結果として、相続放棄という選択肢が使えなくなることがあります。

負債があるかどうかが分からない段階では、家の物に触れないのが安全です。督促状、借用書、消費者金融やカード会社からの封書、連帯保証に関する書類が出てきたときは、その時点で作業を止めてください。何を処分すれば単純承認とみなされるかの線引きは事案ごとに異なり、ここで一般化して示すことはできません。相続放棄を検討している場合、遺品の処分が単純承認とみなされる可能性があります。判断は弁護士または司法書士へご相談ください。

では、その間に何ができるのか。玄関や窓の施錠を確かめて家を管理すること、郵便物を捨てずに保管すること、部屋の様子と物の状態を写真で記録すること、契約関係の書類を読んで負債の有無を調べること。これらは処分にあたりません。判断がつかないまま3か月が近づいた場合は、家庭裁判所に期間の伸長を申し立てる制度があります。認められるかどうかは事情によるため、期限が迫ってからではなく早めに専門家へ相談してください。

四十九日を待つか、先に始めるか

四十九日までは遺品に触らない、という言い方をよく聞きますが、これは慣習であって法律上の期限ではありません。実際には「四十九日に親族が集まるので、その日に方針を決める」という段取りとして機能しています。待つ意味があるのは、相続人が複数いて、全員が顔を合わせる機会がその日しかない場合です。形見分けや、価値の分かりにくい物の扱いを、その場で合意にしてしまえる利点があります。

一方で、待たないほうがよい状況もはっきりしています。賃貸や施設の居室で日ごとに費用が出ている場合、遠方に住んでいて次に集まれるのが数か月先になる場合、冷蔵庫の中身や湿気で家そのものが傷み始めている場合です。とくに生鮮品と冷蔵庫は、放置すると清掃の工程が増え、作業の負担が上がります。この三つのどれかに当てはまるなら、四十九日の前に動いてよいと考えてください。

現実的な折衷案は、四十九日までを「探す・記録する・分ける」に限り、搬出だけをその後に回すやり方です。書類と貴重品を先に集め、残す候補の物を写真に撮って親族に共有しておけば、集まった日の話し合いが具体的になります。物が家にあるうちに撮っておくと、後から「あれはどうなったのか」という問いが起きにくくなります。

遺品整理はいつから始めるか待ってよい場合と待てない場合を、家の状況から分けています。

捨ててはいけない物と、家のどこから出てくるか

先に結論を書きます。捨ててはいけないのは、金額が大きい物ではなく、後の手続きが止まる物です。預金通帳とキャッシュカード、印鑑と印鑑登録カード、不動産の権利証や登記識別情報、保険証券、年金関係の書類、有価証券の書類、契約書や借用書、身分証。これらを失うと、口座の特定や請求のたびに照会と再発行の手続きが挟まり、片付けよりも長い時間を取られます。再発行できるかどうかは書類ごとに違うため、見つけた時点で一か所にまとめてください。

どこから出てくるかには、実務上の偏りがあります。仏壇の引き出し、箪笥の一番下の段、本棚の本と本のあいだ、鏡台の小引き出し、押入れの菓子箱や紙袋、台所の缶、衣類のポケットと財布の中。銀行の封筒がそのまま何十年も本に挟まっていることがあります。片付けを始める前に、この場所だけを先に見て回るだけでも、後の照会がかなり減ります。

忘れやすいのがデジタルの契約です。スマートフォンやパソコンは、電源を落としたり回線を解約したりする前に、契約中のサービスを洗い出しておきます。ネット銀行やネット証券は紙の通帳が届かないため、家の中を探しても存在に気づけません。月額の課金は、解約しないかぎり引き落としが続きます。端末そのものは、契約の確認が終わるまで処分しないでください。

写真・手紙・日記のように、手続きには関係しないけれど後から取り戻せない物も、同じ扱いにします。判断に迷ったら捨てずに保留へ回してください。量が多いときは、アルバムからの取り込みや現像した写真の残し方を家族で先に決めておくと、作業の途中で手が止まりません。

遺品整理で捨ててはいけない物種類ごとの一覧と、どこから出てくるかをまとめています。

分け方は5つ。迷ったら「保留」を作る

家の中の物は、残す・売る・譲る(形見分け)・自治体の制度で捨てる・事業者に頼む、の5つに分けます。この5つに加えて保留の箱を用意してください。一度で決めきろうとすると、判断のたびに手が止まり、疲れて最後は「全部捨てる」に振れます。保留を許すほうが、結果的に早く終わります。保留の箱は数を決めて、たとえば段ボール3箱までとし、上限を超えたら中身を見直す運用にすると膨らみません。

品目ごとの捨て方は、住んでいる市区町村の制度で決まります。粗大ごみとして出せるのか、収集を申し込むのか、持ち込みができるのか、家電リサイクル法の対象品目にあたるのか。この部分は自治体ごとに違うため、別のサイトで品目別に扱っています。同じように、売れるかどうかと価格の目安も別で扱います。ここでは「これは売れる可能性がある側に寄せる」という仕分けの判断までを決めてください。

判断する人を1人に固定しないことも大事です。故人と近かった人ほど手が止まり、遠かった人ほど早く捨てたがります。役割を「探す人」「記録する人」「運ぶ人」で分け、捨てる判断だけは複数人で確認する形にすると、後で言い分が食い違いにくくなります。撮った写真をその場で共有しておけば、来られなかった親族にも経過が伝わります。

遺品整理は何から始めるか最初の一日を「探す日」にする組み立て方を書いています。

捨て方事典品目から捨て方を探す「自治体の制度で捨てる」に分けた物が、何ごみになるかを品目別に調べられます。

売れるナビ売りたい物から、買い取っているお店を探す「売る」に寄せた物を、買い取っている店があるかどうかから確かめられます。金額の判断はこのサイトでは行いません。

形見分けと、遺言書が出てきたとき

相続人が複数いる場合、遺産分割の話し合いが済む前に価値のある物を各自が持ち帰ってしまうと、後で立場が難しくなります。貴金属、時計、美術品、骨董、収集品のように、価格が分かりにくい物ほど揉めます。持ち帰る前に、品目を写真つきの一覧にして全員へ共有し、誰が何を持つのかを記録に残してください。日用品や衣類のような物まで一覧にする必要はなく、線を引くのは値が付く可能性がある物です。

封をした自筆の遺言書が出てきた場合、その場で開けないでください。自筆証書遺言は家庭裁判所の検認という手続きを経る必要があり、封印のある物は家庭裁判所で相続人の立会いのもとに開封する決まりになっています(民法1004条)。法務局の保管制度を利用していた遺言書や、公証役場で作成した公正証書遺言は扱いが異なります。どれにあたるか分からないときは、開けずに司法書士や弁護士へご相談ください。

故人が生前に「これは誰々に」と口頭で言っていた物については、記憶が人によって違うのが普通です。争点にしないために、聞いた内容をそのまま主張するのではなく、一覧に「本人の希望として聞いていた」と注記して全員で確認する形にします。合意ができた分から順に処理し、決まらない物は保留に置いたまま片付けを進めても構いません。

家族・兄弟で遺品整理を進める形見分けの順番と、価値のある物が出たときの扱いを決めておく形です。

遺品の写真と思い出の品写真とアルバムは、その場で選ばずに量の上限から決めます。

費用は何で変わるか(一律の料金表を出さない理由)

片付けの費用は、部屋数だけでは決まりません。同じ2部屋でも、階段しかないのかエレベーターがあるのか、トラックを家の前に停められるのか、処分する物にどんな種類が含まれるのかで、必要な人手と時間が変わります。よく見かける「2LDK ◯円〜」という表だけを見て決めると、当日に追加が出ます。このページでは金額そのものではなく、何で金額が変わるのかを整理します。

下の条件のうち、上がる側が多いほど見積りは高くなります。逆に、買取に回せる物が多い、分別が済んでいる、搬出経路に余裕がある、という条件がそろうと下がります。自分の家がどちら側に寄っているかを先に把握しておくと、見積りの数字を見たときに、それが自分の条件に見合っているかを判断できます。見積りを依頼する前に、この条件を書き出しておいてください。

なお、家電リサイクル法の対象になる品目(エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機)は、法定のリサイクル料金と収集運搬の費用が別にかかります。片付けの作業料金とは別建てになるのが一般的です。料金は品目とメーカーで決まっており、公表されている料金表で確認できます。

  • 買取できる物が多い(下がる):処分に回す量が減り、買取分と相殺される
  • エレベーターがなく2階以上(上がる):人手と時間が増える
  • トラックを停められない・道が狭い(上がる):運搬距離が伸び、駐車の手配が要る
  • 分別が済んでいる(下がる):現場での判断と作業時間が減る
  • 立ち会えない(上がる):残す物の確認に時間がかかり、貴重品の扱いが慎重になる
  • 日程を動かせない急ぎの依頼(上がる):人員の確保が必要になる
  • 金庫・ピアノ・仏壇がある(上がる):専門の搬出や供養の手配が別に要る
  • 庭木・物置・農機具がある(上がる):屋外作業と専用の処分先が要る
  • 汚損や害虫がある(上がる):清掃と防護の工程が加わる
  • 家電リサイクル法の対象品目がある(上がる):法定のリサイクル料金と運搬費が別途

頼む先を選ぶときに確かめること

まず制度の整理です。片付け・整理・清掃・遺品整理という作業そのものには、特別な許可は要りません。一方で、買取できない不用品を家から運び出して処分する部分、つまり収集運搬と処分には、一般廃棄物収集運搬業の許可が要ります。この許可は市区町村ごとに出されるもので、多くの自治体が許可業者の一覧を公式サイトで公表しています。頼もうとしている先が、その市区町村で許可を持つ事業者と組んでいるかは、自分でも確かめられます。

買取を伴う場合は、古物商の許可が要ります。許可番号は公表されているのが普通なので、見当たらなければ聞いてください。見積書については、「一式」だけの記載を避け、下に挙げた項目の内訳を書面で出してもらいます。口頭の説明だけで書面が出ない場合は、他をあたったほうが安全です。

「無料で回収します」とうたって家を回る事業者や、拡声器で巡回する車には注意してください。積み込んだ後で高額な運搬費を請求されたり、適切に処分されなかったりする事例があり、環境省や自治体が許可のない回収業者について注意を呼びかけています。買取できない物の収集運搬と処分には費用がかかるのが原則です。料金が発生する前提で、作業前に書面で見積りを受け取ってください。

  • 作業範囲:どの部屋を含むか、屋外や物置を含むか
  • 処分費が料金に含まれるか、別建てか
  • 車両の台数と、追加が出る条件
  • 階段のみ・エレベーターなし・長距離搬出の加算
  • 駐車場所の手配は誰がするか
  • キャンセル料の発生時期と、金額の決まり方
  • 当日に追加費用が出るのはどんな場合か

遺品整理を頼む先の選び方見積書で確かめる六つと、当日に外されやすい物をまとめています。

実務でよく起きる5つの失敗

一つ目は、最初の日に袋詰めから始めてしまうことです。作業が進んだ実感は得られますが、書類と日用品が混ざり、後で袋を全部開け直すことになります。何を捨てたかを親族に説明できなくなるのも、この失敗の後で起きます。二つ目は、遠方から来た1日で全部を終わらせようとすることです。判断の量が体力を超え、後半は中身を見ずに捨てる作業になります。1日しか取れないなら、対象を1部屋に絞ってください。

三つ目は、相続人の1人が単独で決めてしまうことです。良かれと思って進めたことが、後から「勝手に処分した」という話になります。値が付く可能性がある物だけでも、写真と一覧で共有しておけば防げます。四つ目は、買取と搬出を別々の相手に頼み、同じ物を二度運ぶことです。査定を搬出より前に置き、売る物と手放す物を同じ日の流れで処理できるよう組むと、手間と費用の両方が減ります。

五つ目は、賃貸の明け渡し日を逆算せずに日程を決めてしまうことです。引越しや片付けの繁忙期には、作業日程が先に埋まります。明け渡し日が決まっているなら、そこから逆算して早めに見積りを取り、作業日を押さえておいてください。原状回復の範囲は契約内容によるため、管理会社に先に確認しておくと、当日その場で迷う場面が減ります。

迷ったときの分かれ目

どちらが正しいという話ではありません。何が違えばどちらを選ぶかを並べます。

四十九日を待つか、先に片付けを始めるか

四十九日を待つ

持ち家で日割りの費用が発生していない。相続人が複数いて、その日に全員が集まる。形見分けの合意をその場で作りたい

先に始める

賃貸や施設で家賃・管理費が日ごとに出ている。遠方で次に集まれるのが数か月先。冷蔵庫の中身や湿気で家が傷み始めている

家の中の物に手を付けてよいか

触らずに保留する

財産と負債の全体像がまだ見えていない。督促状・借用書・連帯保証の書類が出てきた。相続放棄を少しでも考えている。3か月の期限まで日がある

通常どおり進める

通帳・郵便物・契約書をひととおり確認し、負債が見当たらない。相続人全員が引き継ぐ方針で一致している。放棄を検討する理由が出てこない

自分たちで片付けるか、事業者に頼むか

自分たちでやる

1〜2部屋で大型家具が少ない。搬出経路にエレベーターがある。動ける人が2人以上いて、延べ3日以上の時間を取れる

事業者に頼む

戸建て一軒分ある。階段のみで道が狭くトラックを停められない。明け渡し日が決まっていて残り日数が少ない。遠方で通えるのが月1回

出てきた物を査定に回すか、処分の側に寄せるか

査定に回す

製造から年数が浅い家電、動作する楽器、貴金属・宝石、時計、和装小物や茶道具、骨董・美術品、収集品。搬出する前に見てもらう

処分の側に寄せる

破損や欠品がある。寝具や衛生用品など再販が難しい物。運ぶ手間と保管の時間のほうが大きいと感じる物

作業に立ち会うか、任せるか

立ち会う

書類や貴重品がまだ出そろっていない。残す物の判断を自分でしたい。初めて頼む相手で、進め方を見ておきたい

任せる

残す物を先に運び出し済み。写真つきの残す物リストを共有できている。日程が合わず、立ち会うために作業日を先送りすると費用が増える

方針を代表者が決めるか、相続人全員で決めるか

代表者が進める

相続人が1人、または全員から書面で任されている。明け渡し日などの制約が強く、合意を待つ時間がない

全員の合意を取る

相続人が複数いて、価値の分かりにくい物(骨董・美術品・収集品・貴金属)が多い。過去に相続で意見が割れた経緯がある

よくある質問

遺品整理はいつから始めればよいですか

片付けの作業そのものに法律上の開始時期はありません。ただし届出と相続には日数の区切りがあるため、先に手続きの側から確認します。実務としては、葬儀後の2週間を家の中を探して書類と貴重品を集める期間に充て、捨てる判断はその後に回すやり方が負担の少ない進め方です。賃貸や施設で日ごとに費用が出ている場合だけは、探す作業と搬出日程の確保を並行させてください。

四十九日の前に片付けてはいけませんか

四十九日を区切りにするのは慣習で、法律上の期限ではありません。判断の材料は二つだけです。一つは、その日を逃すと相続人全員が集まる機会が当分ないかどうか。もう一つは、待っているあいだに家賃や管理費が出続けるかどうかです。集まれる機会がその日しかないなら待つ価値があり、費用が日々発生しているなら先に動いて構いません。どちらとも決めきれないときは、四十九日までを探すことと記録することに限り、搬出だけを後に回す進め方があります。

相続放棄を考えています。写真や衣類だけでも持ち帰ってよいですか

相続財産を処分すると、相続を承認したとみなされる場合があります(民法921条)。持ち帰る、売る、捨てる、親族に分ける、いずれも処分と評価される可能性があり、どこまでが該当するかは事案ごとに異なります。ここで一般化して線を引くことはできません。相続放棄を少しでも考えている段階では、家の物に手を付けず、施錠と郵便物の保管と写真での記録に留めてください。可否の判断は弁護士または司法書士へご相談ください。

遺品整理の費用はどのくらいかかりますか

金額を一律で示すことはできません。同じ部屋数でも、階段の有無、トラックを停められるか、処分する物の種類、買取に回せる物がどれだけあるかで、必要な人手と時間が変わるためです。比べるときは、部屋の広さ・物の量・搬出経路・急ぎかどうかを同じ条件で伝えて複数社から書面で見積りを取り、処分費が含まれるか、当日に追加が出るのはどんな場合かを確認してください。総額だけを並べても比較になりません。

賃貸の部屋は、いつまでに空にすればよいですか

明け渡しの期日は賃貸借契約で決まっており、法律で一律に定まっているわけではありません。解約の申し入れから1か月後を明け渡し日とする契約が多い一方、契約書に別の定めがある場合もあります。まず管理会社に、明け渡し日と原状回復の範囲、置いていってよい物があるかを確認してください。作業日は繁忙期ほど埋まりやすいため、明け渡し日から逆算して早めに押さえておくと日程に余裕が作れます。

通帳や印鑑が見つかりません。どうすればよいですか

部屋を順に片付けながら探すのではなく、しまい込まれやすい場所だけを先に回るほうが早く済みます。仏壇や鏡台の引き出し、箪笥の最下段、本と本のあいだ、押入れの紙袋や菓子箱といった場所です。それでも出てこない場合、口座の有無は金融機関への照会で調べられる場合があり、印鑑登録の有無は市区町村の窓口で確認できます。求められる書類は窓口ごとに違うため、出向く前に問い合わせてください。

遠方に住んでいて、片付けに立ち会えません

立ち会えない場合は、残す物を先に運び出しておき、写真つきの残す物リストを共有しておくのが基本です。それがない状態で任せると、判断の確認に時間がかかり、作業も慎重にならざるを得ないため、費用と日数の両方が増えます。任せるときは、作業前後の写真、搬出した品目の一覧、書類や貴重品が出てきた場合の連絡方法を、あらかじめ取り決めておいてください。

事業者を選ぶとき、何を確認すればよいですか

片付けや清掃の作業自体に許可は要りませんが、買取できない不用品の収集運搬と処分には一般廃棄物収集運搬業の許可が要ります。この許可は市区町村ごとに出され、多くの自治体が許可業者の一覧を公式サイトで公表しています。買取を伴うなら古物商許可の番号も確認できます。見積書は「一式」ではなく、作業範囲・人数・車両・処分費の有無・追加が出る条件まで書面で出してもらってください。

故人のスマートフォンやネットの契約は、どう扱えばよいですか

端末や回線をすぐに解約しないでください。ネット銀行やネット証券は紙の通帳や取引報告書が届かないため、家の中を探しても存在に気づけないことがあります。月額課金のサービスは、解約しないかぎり引き落としが続きます。まず契約中のサービスを洗い出し、金融機関の口座と定期的な引き落としを確認してから、順に停止していきます。ロックが解除できない場合の扱いは事業者ごとに違うため、契約先へお問い合わせください。

遺品整理のくわしい記事

このページは全体の流れです。下は、その中でつまずきやすいところを1つずつ掘った記事です。

遺品整理で使う一覧と道具

遺品整理チェックリストこのページの段取りを、印刷して手元で使える確認項目にしたものです。

ほかの片付け

PR|このサイトの運営会社のサービスです

捨てる前に、買取査定という選択肢があります

粗大ごみに出す前や、回収を頼む前に一度ご確認ください。 家具・家電・不用品の中に、値段が付く物が混ざっていることがあります。 査定額を見てから、売るか手放すかを決められます。出張費・査定費・キャンセル料は0円です。

買取できない物の回収は、許可を持つ提携事業者へお取り次ぎします。 内容により有料になる場合があり、料金は作業前に必ずお見積りをご提示します。

送信いただいた内容は査定のご連絡にのみ使用します。 運営:株式会社LINKBANK/古物商許可 埼玉県公安委員会 第431270050713号