残り日数が短いときの片付け ― 削るのは物ではなく、範囲
日数が短いときにやることは、速く判断することではありません。判断する物の数を減らすことです。範囲を先に削って、残した範囲だけを最後まで終わらせます。
共通する準備は三つ。行き先を先に決める、道具を先にそろえる、大きい物の手配を先に済ませる。この三つがないと、当日は判断ではなく段取りに時間を使うことになります。
どの日数でも先にやる三つ
残り日数にかかわらず、作業の前に済ませておくことがあります。ここを飛ばすと、当日の時間が判断ではなく準備に消えます。
作業日の前に
物の行き先を決めて、置き場所を作る。ゴミの種類ごとの袋、手放す物、保留、別の場所へ、の四つ
なぜ当日に行き先を考えると、一つの物ごとに考える時間が発生する。先に決めておけば、当日は分けるだけの作業になる
作業日の前に
ゴミ袋、箱、油性ペン、手袋、ひも、養生テープをそろえて、作業する場所に置いておく
なぜ道具を取りに行くたびに手が離れる。短い日数では、この中断が一番効く
できるだけ早く
大きい物の行き先を決めて手配する。粗大ごみなら申し込む、買取なら日程を取る
なぜ申込みから引き取りまでの日数は自分で縮められない。ここが最後に残ると、全体の終わりがその日で決まってしまう
1日しかないとき
一日で家全体は終わりません。終わらせるのは範囲です。決めるのは「どこを、どの状態にするか」の一つだけにします。
選ぶ範囲は、目的から決めます。来客なら、人が通る場所と座る場所と水回り。写真を撮るなら、写る範囲。売却の内見なら、玄関から順に見られる動線。どれも、家全体ではありません。
一日の中では、判断を伴う作業を午前に置きます。午後は疲れて判断が雑になるので、運ぶ・出す・戻すという作業に充てます。夕方の1時間はゴミを出す時間として空けておいてください。
1日でやることの順番
- 朝:ゴミ袋を持って一周し、判断のいらないゴミだけを集める
- 午前:決めた範囲の中で、残す・手放す・保留・別の場所へ、に分ける
- 昼:手放す物を玄関か外に運び出す
- 午後:残した物を、使う場所の近くに戻す
- 夕方:ゴミを出す。保留箱にふたをして、見直す日を書く
3日あるとき
三日あると、家の一部ではなく、生活の中心になる場所を通して終わらせられます。一日目と二日目で分けて、三日目を予備と仕上げに使います。
一日目は、家じゅうから判断のいらない物(ゴミ、空き箱、期限切れ、壊れた物)だけを抜きます。部屋を区切らず、家全体を対象にします。これだけで見た目の量が大きく変わり、二日目の作業がしやすくなります。
二日目に、決めた範囲の中身を分けます。三日目は、二日目に終わらなかった分と、収める作業、そして出しきる作業に使います。三日目を最初から作業日として埋めないでください。埋めると、崩れたときに詰め直す場所がなくなります。
1週間あるとき
一週間あれば、区画で数えて計画を立てられます。数え方は計画の記事に書いていますが、短期の場合は次の配分を目安にします。
前半三日で、判断を伴う作業を終わらせます。後半三日で、収める作業と、手放す物の搬出、大きい物の引き取り立ち会いに充てます。最終日は空けておきます。
一週間の場合、途中で一日休む日を入れた方が結果が良くなることがあります。連日で判断を続けると、四日目あたりから決め方が雑になり、後で戻したくなる判断が増えます。
| 日 | やること | 入れないこと |
|---|---|---|
| 1日目 | 家じゅうから判断のいらない物だけを抜く。大きい物の手配を済ませる | 細かい仕分け |
| 2〜3日目 | 判断の軽い区画から順に分ける。台所・洗面・玄関など | 写真や書類などの重い区画 |
| 4日目 | 休む、または重い区画を一つだけ | 詰め込み |
| 5〜6日目 | 残った区画を分ける。収める。手放す物を外へ出す | 新しい区画を開けること |
| 7日目 | 引き取りの立ち会い、出しきれなかった物の処理 | 作業の予定 |
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間に合わないと分かったとき
途中で間に合わないと分かることがあります。そのときに範囲を広げたまま速度を上げようとすると、判断が雑になり、後で戻したくなる決め方が増えます。
やるのは、範囲を削ることです。生活に影響する場所(通り道、寝る場所、水回り、台所)だけを残して、他は期限の後に回します。期限が引越しや退去のように動かせない場合は、残る物をまとめて運ぶか、運び出しだけ人に頼む形にします。
頼むと決めたときは、作業前に金額と作業範囲を書面で確認してください。急いでいるときほど、「一式いくら」の見積もりで話が進みやすくなります。当日に追加される条件も、先に聞いておいてください。
急いでいるときでも、貴重品・書類・鍵・写真だけは自分の手で先に抜いてください。通帳、印鑑、保険証券、権利証、現金は、まとめて運ぶ物の中から出てくることがあります。
迷ったときの分かれ目
全部を薄くやるか、一部を最後まで終わらせるか
一部を最後まで
日数が短いときはこちら。終わった場所があると、その状態が保てる。全部を薄くやると、どこも中途半端で、翌日には元に戻る
全部を薄く
見た目だけを整えればよいとき(来客、写真撮影、内見の直前など)。ただしこれは片付けではなく一時的な処置なので、後日に本来の作業が残る
判断の重い物を、期間内に決めるか後に回すか
後に回す
期限が近いとき。写真・手紙・故人の物は、急いで決めると後悔が残る。箱にまとめて、期限の後に見る日を決める
期間内に決める
その物を運ぶ費用や場所がかかる場合(引越しで運賃が増える、保管場所がない)。この場合は、全部ではなく量の上限だけ決めて選ぶ
よくある質問
一日で家全体を片付けることはできますか
判断の重い物が少なければ可能な場合があります。写真・書類・手紙・故人の物が多い家では難しくなります。一日でやるなら、当日に判断を持ち込まない準備が要ります。行き先を四つ決めておく、大きい物の引き取りを手配しておく、道具を先にそろえておく。当日は分けるだけの作業にします。それでも終わらない見込みが出たら、範囲を狭める判断に切り替えてください。
手伝ってもらえる人がいます。何を頼めばいいですか
判断のいらない作業を頼んでください。運ぶ、袋を出す、ゴミを外へ運ぶ、箱を組み立てる。判断を人に任せると、後で「あれはどこへ行った」となり、結果的に時間が増えます。人数が増えるほど、置き場所と分け方を先に決めておく必要があります。紙に書いて貼っておくと、いちいち聞かれずに済みます。
捨てきれなかった物はどうすればいいですか
一か所にまとめて、中身が分かるように書いておいてください。「保留・○月○日に見る」と書いた箱にします。散らばったまま残すと、次に手を付けるときにもう一度全部を判断することになります。期限が引越しや退去の場合は、運ぶ費用がかかるので、量の上限だけ先に決めて、その中に収まる分を選ぶ形にします。
3日で終わる量かどうか、どう判断すればいいですか
収納の区画を数えてください。引き出し一つ、棚一段、押入れ一段、箱一つを一区画とします。軽い区画は30分、重い区画は1〜2時間。区画数と時間を掛けたものが、必要な作業時間です。三日で使える時間を足して比べれば、入るかどうかが分かります。入らない場合は、その時点で範囲を削ってください。
急いで業者に頼むと高くつきますか
日程が限られると、選べる会社が減るため、条件は良くなりにくくなります。急ぐ場合でも、作業範囲と金額を書面で出してもらってください。「一式」だけの見積もりでは、当日に何が追加されるか分かりません。全部を頼まず、判断は自分でして運び出しだけを頼む形にすると、範囲がはっきりして比べやすくなります。
この記事の親ページ
家の片付けの進め方|どこから始めて、どの順番で終わらせるか家全体を片付けるときの順番と、途中で止まったときの立て直し方をまとめてあります。