書類とお金をまとめる ― 全部ではなく、探される物だけ一か所へ
書類を全部整理する必要はありません。後で探される物だけを一か所にまとめます。通帳、保険証券、権利証、年金と税の書類、鍵、契約が続いているものが分かる紙。
一か所にまとめたら、その場所を家族の誰か一人には伝えてください。伝えていない収納は、家の中にあっても見つかりません。
一か所にまとめる物・まとめない物
全部を一か所に入れると、量が多すぎて逆に探しにくくなります。分けます。
| 扱い | あてはまる物 | 置き方 |
|---|---|---|
| 一か所にまとめる | 通帳、保険証券、権利証、年金・税の書類、鍵、印鑑 | 引き出し一つか箱一つ。場所を家族に伝える |
| まとめてラベルを付ける | 契約が続いているものの明細(通信、電気、ガス、水道、定期購読、会費) | ファイル一冊で足りる。止める手続きに使う |
| 置き場所だけ決める | 取扱説明書、保証書、領収書 | 後で探されることが少ない。量が多いので別の場所でよい |
| 処分してよい | 期限の切れた案内、古いチラシ、済んだ支払いの控えのうち保管の要らない物 | 保管年数が決まっている書類と混ざらないように分ける |
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保管する年数が決まっている書類があります。年数は書類の種類によって違い、税や契約に関わるものは個別の事情でも変わります。判断が要るものは、税理士や、その書類を発行した先に確認してください。
毎月の支払いを洗い出す
後で一番手間がかかるのが、契約が続いているものを止める作業です。何を契約しているかが分からないと、止めることもできません。
洗い出す一番早い方法は、通帳とクレジットカードの明細を一年分見ることです。毎月または毎年、同じ相手に引き落とされているものを書き出します。年に一度の支払いは見落としやすいので、一年分見る必要があります。
書き出すのは、相手の名前と、金額の目安と、いつ引き落とされるかです。契約番号や暗証番号は書きません。
使っていないものが見つかることもあります。その場で止めれば、生前整理の作業そのものが家計の見直しになります。
デジタルのものをどうするか
パソコンやスマートフォンの中に、契約や連絡先、写真が入っています。ここが一番、家族に引き継ぎにくい部分です。
書いておくとよいのは、どの機器を使っているか、どの通信会社と契約しているか、支払いに使っているカードはどれか、写真がどこに入っているか、です。
パスワードそのものを紙に書くかどうかは、慎重に決めてください。書けば見つけてもらえますが、盗まれる危険も同時に生まれます。書く場合は、置き場所を厳重にする必要があります。扱い方については、金融機関や、その分野の専門家にご相談ください。
写真や動画は、機器の中だけに置かないでおくと、後で取り出せます。家族と共有できる場所に移しておく方法もあります。
家族への伝え方
まとめただけでは、伝わりません。伝え方も決めておきます。
- 誰に伝えるか決める/全員でなくてよい。少なくとも一人。連絡が取れる人にする
- 場所だけ伝える/中身を見せたくない場合も、置き場所は伝える。「この引き出しに大事な物をまとめてある」で足りる
- 更新したら知らせる/置き場所を変えたときに伝えないと、伝えた意味がなくなる
- 紙で残す/口頭だけだと、後で思い出せない。一枚書いて、同じ場所に入れておく
書かない方がよいこと
何でも書けばよいわけではありません。書くと危ないもの、書いても効かないものがあります。
暗証番号とパスワードは、扱いに注意が要ります。書く場合は、置き場所と、誰が知っているかを限定してください。
財産の分け方についての希望は、書いても形式によっては法的な効力を持ちません。効力を持たせたい場合は、決まった形式が必要になります。弁護士や司法書士などにご相談ください。
医療や介護についての希望は、書いておくと家族の判断の助けになりますが、これも制度上の扱いは別です。かかりつけの医師や、地域包括支援センターにご相談ください。
書類を減らすか、まとめるだけにするか
まとめるだけにする
判断に迷う書類が多いとき。減らそうとすると止まる。まとめて場所を決めるだけでも、後の手間はかなり減る
減らす
明らかに済んだもの、期限の切れた案内、重複している物。保管年数が決まっている書類と混ざらないように分けてから
パスワードを書き残すか
書かない
置き場所を厳重にできないとき。盗まれる危険が生まれる。どの機器・どのサービスを使っているかだけ書いておく
書く
金庫など置き場所を限定できるとき。誰が知っているかも決めておく。扱いに不安がある場合は専門家に相談する
生前整理の進め方全体の流れと、家族との話し方はこちらにまとめています。
よくある質問
書類が多すぎて、何から手を付ければいいか分かりません
全部を整理しようとしないでください。後で探される物だけを一か所にまとめます。通帳、保険証券、権利証、年金と税の書類、鍵、印鑑。この六つだけで足ります。残りの書類は、置き場所を決めるだけで構いません。減らす作業は、後からでもできます。
契約しているものが自分でも分かりません
通帳とクレジットカードの明細を一年分見てください。毎月または毎年、同じ相手に引き落とされているものを書き出します。年に一度の支払いは見落としやすいので、一年分必要です。書き出すのは相手の名前と金額の目安と、いつ引き落とされるかまでで、契約番号や暗証番号は書きません。
エンディングノートに全部書けばいいですか
ありかを書くのは効きます。ただし、暗証番号やパスワードをそのまま書くのは、置き場所を限定できない限り避けてください。また、財産の分け方についての希望は、書いても形式によっては法的な効力を持ちません。効力を持たせたい場合は決まった形式が必要になるので、弁護士や司法書士などにご相談ください。
家族に見られたくない物があります
見られたくない物と、見つけてほしい物を分けて置いてください。見つけてほしい物(通帳や証券のありか)だけを一か所にまとめて、その場所を伝えます。見られたくない物については、自分で処分するか、置き場所を分けておく形になります。伝えるのは場所だけでよく、中身を見せる必要はありません。
まとめた後、どれくらいの頻度で見直せばいいですか
決まりはありませんが、契約が変わったとき、引越しをしたとき、保険や金融機関を変えたときには直してください。何も変わらなければ、年に一度、同じ時期に見る形でも十分です。置き場所を変えたときは、伝えた相手にも知らせてください。伝え直さないと、まとめた意味がなくなります。
この記事の親ページ
生前整理の進め方|何から始めるか、何を書き残すか全体の流れと段取りをまとめてあります。