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空き家の家財を空にする ― 電気と水を止めるのは、作業の後

空き家の作業は、人が住んでいる家の片付けとは前提が違います。明かりがない、水が出ない、暑さ寒さをしのげない、荷物を一時的に置く場所がない。ここを先に手当てしないと、作業日に何もできません。

電気と水道は、片付けが終わるまで止めないでください。止めた後で作業日を入れると、照明も掃除も使えません。

作業日の前に手当てすること

現地に着いてから困るのは、たいてい次の五つです。

困ること先の手当て
明かりがない電気を止めない。止まっている場合は、作業を日中に組む。投光器を持って行く
水が出ない水道を止めない。止まっている場合は、飲み水と手を洗う水を持って行く
暑い・寒い夏は朝のうちに、冬は日が出ている間に。空調が使えない前提で時間を組む
ゴミを置く場所がない収集日と、一度に出せる量を先に調べる。庭や車庫を一時置き場にできるか確認する
トイレが使えない近くに使える場所があるかを確認しておく

長く閉め切っていた家は、においとほこりがこもっています。作業の前に窓を開けて風を通してください。手袋とマスクを着けて入り、床が抜けそうな場所、傷んだ階段、割れたガラスに気をつけてください。

現場での順番

誰も住んでいない家は、生活を止めずに進める必要がありません。その分、順番を作業のしやすさだけで決められます。

  1. 1日目のはじめ

    家じゅうを一周して、貴重品・書類・写真・鍵を探して一か所に集める。屋外も見る

    なぜ物を動かし始めると探せなくなる。空き家では、この作業を後回しにすると次に来るまで確認できない

  2. 1日目

    通り道を空ける。玄関、廊下、階段。搬出経路になる場所を先に確保する

    なぜ大きい物を出すときに通れないと、その日に運び出せない。家の外の経路(門、庭、駐車の位置)も見ておく

  3. 2日目以降

    部屋ごとに、出す物をまとめる。判断が要る物は箱にまとめて、別の場所に寄せる

    なぜ空き家では一時置き場を家の中に作れる。使わない部屋を一つ、判断が要る物の置き場にすると作業が速くなる

  4. 運び出しの日

    大きい物と量の多い物を出す。収集日か、引き取りの日に合わせる

    なぜ運び出しの日を先に決めてから、その日までに出す物をまとめる形にすると、作業に締切ができる

  5. 最後

    掃除をして、写真を撮る。そのうえで電気・水道・ガスを止める手続きに入る

    なぜ止めるのは最後。先に止めると、掃除も照明も使えなくなる

見落としやすい場所

人が住んでいた家では、屋内だけを見て終わりにしがちです。空き家では屋外に物が残っていることが多く、売却や解体のときに問題になります。

屋内以外で確認する場所

  • 庭(植木鉢、ブロック、資材、物干し台、池)
  • 物置・納屋・車庫・カーポート
  • ベランダ・縁側の下・床下・屋根裏
  • 門扉のまわり、塀の内側、隣との境
  • 灯油タンク、プロパンのボンベ、農機具や工具
  • 自転車・バイク・自動車(名義と手続きが別に要る)
  • 浄化槽、井戸、農業用の設備

防犯と近隣への連絡

作業の日は、家が開いた状態になります。近隣に人がいる地域では、事前に一声かけておくと後の関係が変わります。

伝えるのは、作業の日と時間帯、車を停める場所、音が出る作業があるかどうかです。連絡先を渡しておくと、何かあったときに知らせてもらえます。

鍵は、誰が何本持っているかを確認してください。相続した家では、親族や近隣の方が持っていることがあります。売却や解体の前に、本数をそろえておく必要があります。

作業の途中で家を離れるときは、戸締まりを確認してください。出した物を庭に置いたままにすると、持ち去られることがあります。

遠方から空き家を片付ける通う回数が限られる場合は、作業日の組み方から変わります。

迷ったときの分かれ目

電気と水道を、いつ止めるか

片付けが終わってから

原則こちら。照明、掃除、手を洗う水が使えないと作業にならない。基本料金はかかるが、作業効率の差の方が大きい

先に止める

作業の予定が当面立たないとき。ただし地域によっては、冬に水道を止めずにおくと配管が凍って破れることがある。止め方を水道局に確認する

自分たちで運び出すか、頼むか

自分たちで運び出す

量が少なく、車が使えて、何度か通えるとき。費用は抑えられる

頼む

家一軒を空にする、通える回数が少ない、階段や狭い経路がある、屋外にも物が多い。判断は自分たちでして、運び出しと分別を頼む形にすると範囲がはっきりする

作業のあとに残す記録

空き家は、次に行くのが何か月も先になることがあります。そのときに「どこまでやったか」が分からなくなると、同じ場所をもう一度見ることになります。

作業が終わったら、部屋ごとに写真を撮って、日付とやったことを書き添えておきます。紙に書いて家の中に貼っておくのも確実です。「この部屋は空にした」「この箱は判断待ち」と書いておくだけで、次の回が変わります。

家族が複数いる場合は、その写真を共有します。行けない人にとっては、これが唯一の状況の手がかりになります。

その回の終わりに残すもの

  • 部屋ごとの写真(作業前・作業後)
  • その日にやった範囲と、次にやる範囲を書いたメモ
  • 判断待ちの箱の場所と、中身のおおよその内容
  • 出した物の量(袋の数、大きい物の点数)
  • 手配した収集や引き取りの予定日
  • 戸締まりの確認と、鍵の所在

よくある質問

電気と水道は、いつ止めればいいですか

片付けが終わってからにしてください。先に止めると、照明も掃除も使えなくなり、作業日に何もできません。基本料金はかかりますが、作業のしやすさの差の方が大きくなります。ただし地域によっては、冬に水道を止めずにおくと配管が凍って破れることがあります。長く空ける場合の止め方は、その市区町村の水道の窓口で確認してください。

家一軒を空にするのに、どれくらいかかりますか

物の量と、屋外にどれだけあるかで変わります。屋内だけを見て見積もると、庭・物置・車庫の分が抜けます。数える段階で、屋外も含めてください。通える回数が限られている場合は、一回の滞在で終わる範囲を決めて、運び出しの日を先に押さえる形にすると、締切ができて進みます。

庭木や雑草も片付けた方がいいですか

隣の敷地に伸びている場合は、早めに手を打った方が確実です。苦情の元になり、放っておくほど作業が大きくなります。伐採した枝や草の出し方は、市区町村ごとに決まりが違います。量が多い場合は、家財とは別の扱いになることがあるので、先に確認してください。

近隣に何を伝えればいいですか

作業の日と時間帯、車を停める場所、音が出る作業があるかどうかです。連絡先を渡しておくと、何かあったときに知らせてもらえます。空き家は近隣が気にしていることが多いので、事前の一声で後の関係が変わります。売却や解体の予定がある場合も、決まってから伝えると話が通りやすくなります。

鍵が何本あるか分かりません

親族や近隣の方が持っていることがあります。売却や解体の前に、本数をそろえておく必要があります。分からない場合は、鍵の交換を検討してください。作業の途中で家を離れるときは、戸締まりを必ず確認し、出した物を屋外に置いたままにしないでください。

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空き家の片付けの進め方|所有者・残置物・費用の順に決める全体の流れと段取りをまとめてあります。

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