遠方の空き家を片付ける ― 行く回数から逆算して決める
遠方の空き家では、作業の速さより、行ける回数の設計が結果を決めます。一回の滞在で何をどこまでやるかを先に決めて、それ以外は行かなくてもできることに回します。
行かない間にも進むものがあります。郵便物、庭木、家の傷み、防犯。ここに手を打っておかないと、行くたびに片付け以外の用事が増えます。
一回の滞在で何をやるか
空き家は生活の場ではないので、滞在中に生活を止めずに進める必要がありません。その分、一回にまとめられます。ただし宿泊できるとは限らないので、日程は現実的に組みます。
| 回 | その回でやること | その回では決めないこと |
|---|---|---|
| 1回目 | 家じゅうを見て量を把握する。貴重品・書類・写真・鍵を探して持ち帰る。屋内外の写真を撮る | 物の要不要。この回で判断を始めると、量が分からないまま手を動かすことになる |
| 2回目 | 判断が要る物を分けて、一部屋にまとめる。出す物の量を確定して、運び出しの手配をする | 細かい仕分け。まとめるところまででよい |
| 3回目 | 運び出しの立ち会い。屋外の物を出す。掃除 | 新しい判断。この日は出す日にする |
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行く前に済ませること
滞在を作業に使うために、家からできることを先に片付けます。
行く前にやること
- その市区町村の粗大ごみの決まりを調べる(申込方法・収集までの日数・持ち込みの可否・対象外の品目)
- 収集や引き取りを申し込む。滞在日に合わせて日を取る
- 事業者に写真を送って概算を聞き、現地確認の日を滞在日に入れる
- 電気・水道が使えるかを確認する(止まっていると作業できない)
- 道具を用意する(ゴミ袋、軍手、マスク、工具、投光器、ひも、養生テープ)
- 泊まる場所と、車を停める場所を決める
- 家族と、その回でやる範囲を共有する
行かない間に手を打つ
空き家は、行かない間にも状態が変わります。ここを放っておくと、行くたびに片付け以外の用事が増えます。
郵便物がたまると、家に人がいないことが外から分かります。転送の手続きをするか、近隣の方に見てもらえるなら頼んでおきます。
庭木と雑草は、隣の敷地に伸びると苦情の元になります。季節によって伸び方が変わるので、行く間隔もそれに合わせます。年に一、二回しか行けない場合は、草刈りだけを地元に頼む方法もあります。
家の傷みは、屋根・雨どい・水回りから出ます。雨漏りは、気づかないうちに家の中を傷めます。行ったときに、屋根と天井のしみを見ておいてください。
水道を止めるかどうかは、地域の気候によります。冬に凍って配管が破れることがある地域では、止め方に手順があります。その市区町村の水道の窓口で確認してください。
現地でしかできないこと・離れていてもできること
この分け方を先にしておくと、滞在の中身が変わります。滞在時間のかなりの部分が、家からでもできる作業に使われていることがあります。
| やること | 現地でしか / 離れていても |
|---|---|
| 家の中の量を見る | 現地でしか(1回目にまとめてやる) |
| 物の要不要を決める | 現地でしか(ただし写真で家族と共有はできる) |
| 運び出す・立ち会う | 現地でしか(頼めば代われる場合がある) |
| その市区町村の決まりを調べる | 離れていても |
| 収集や引き取りを申し込む | 離れていても |
| 事業者を探して見積もりを取る | 離れていても(現地確認は滞在日に合わせる) |
| 家族と分担・費用の上限を決める | 離れていても |
| 郵便の転送、ライフラインの手続き | 離れていても |
鍵と立ち会い
遠方の場合、鍵の受け渡しと立ち会いが手間になります。取り決めを先にしておくと、行く回数を減らせます。
鍵は、誰が何本持っているかを確認してください。相続した家では、親族や近隣の方が持っていることがあります。作業を頼む場合、鍵をどう渡してどう返してもらうかを、書面で決めておきます。
立ち会えない日に作業してもらう場合は、作業前・作業中・作業後の写真を送ってもらう、判断が要る物が出たときの連絡方法を決める、貴重品が出たときの扱いを決める、の三つを取り決めます。
全部を任せる場合でも、貴重品・書類・写真は、自分の手で先に持ち帰っておいてください。
空き家の家財を空にする作業日に困らないための手当てを、現場の順番でまとめています。
迷ったときの分かれ目
回数を増やすか、一回を長くするか
一回を長くする
家一軒を空にする段階。移動の回数が減る分、費用も時間も抑えられる。連泊できる場所があるかを先に確認する
回数を増やす
家族と相談しながら決める段階、季節ごとの管理(庭木、雨漏りの確認)が要るとき
自分たちで運び出すか、現地に頼むか
自分たちで運び出す
量が少なく、車が使えて、何度か通えるとき
現地に頼む
家一軒分ある、屋外にも物が多い、通える回数が少ない、期限がある。写真で概算を取り、現地確認と作業日を滞在日に合わせると、行く回数を増やさずに済む
よくある質問
年に一、二回しか行けません
一回の滞在でやる範囲を決めて、その範囲を最後まで終わらせる形にしてください。何か所も中途半端に開けると、次に行くまでその状態が続きます。行く前に、収集や引き取りの手配を済ませておくと、滞在を作業に使えます。庭木や郵便のように、行かない間に進むものは、地元に頼むか転送の手続きで手を打っておいてください。
電気も水道も止まっています
作業の前に、使えるようにしておくことをおすすめします。照明も掃除も使えないと、日中の短い時間しか作業できません。再開の手続きに日数がかかることがあるので、行く日が決まった時点で連絡してください。難しい場合は、投光器と水を持って行き、作業を日中に組んでください。
現地に親族がいますが、頼みづらいです
作業を頼むのではなく、確認だけを頼む形なら受けてもらいやすくなります。郵便がたまっていないか、雨漏りがないか、庭木が伸びていないか。行ったときの写真を送ってもらうだけでも、次の滞在の計画が立てられます。頼んだことに対しては、費用や手間の分を形にして返す方が、長く続きます。
作業の日に立ち会えません
鍵の受け渡し方法、作業中の連絡手段、判断が要る物が出たときの扱い、作業前後の写真を送ってもらうことを、書面で決めておいてください。貴重品・書類・写真は、立ち会えないときこそ、事前に自分の手で持ち帰っておく必要があります。近隣への連絡も、作業前に済ませておくと後の話が楽になります。
遠方だと費用が高くなりますか
現地の事業者に頼めるかどうかで変わります。自分が住んでいる地域から連れて行く形にすると、移動の分が乗ります。現地で見積もりを取る場合も、写真だけで出た金額は当日に変わることがあるので、現地確認の日を滞在日に入れてください。金額の目安については、このサイトでは扱っていません。
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空き家の片付けの進め方|所有者・残置物・費用の順に決める全体の流れと段取りをまとめてあります。